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2015年5月のあいさつ

img002外来が新しくなりました

院長 田﨑 博一(たさき ひろいち)

 昨年11月から新しい外来棟で診療しています。玄関前に植えた芝桜は小さな花を開きました。外来棟中庭の植栽もまだ小さな枝ですがそれぞれに花を咲かせています。待合室で診察を待つ時間は緊張するものです。少しでもリラックスできるように待合室はゆったりとした空間を確保しました。
 病棟の工事は着々と進行しています。基礎工事が終わり、これから1階部分の工事に入ります。今年の12月竣工を目指しています。それまでの間、仮設病棟での診療となり、ご不便をお掛けしますが、何卒ご了解ください。
 津軽の地も人口が少しずつ減少しています。病気や障害をかかえながらの一人暮らし、病気の子どもさんを支えてきたが自分自身も歳を重ね、家族だけでは支えきれなくなっている方。病気とともに生きて行くことのさまざまな困難を目にします。当院では訪問看護チームが在宅での医療や生活を支援しています。ぜひ、ご相談ください。(2015年5月1日)

2014年7月のあいさつ

img002改修工事が始まりました

院長 田﨑 博一(たさき ひろいち)

 病院の改修工事が始まりました。現在は、8病棟として使用していた建物を新外来棟に改修する工事が進んでいます。通院治療を受けられる方が年ごとに増えており、外来診療スペースが手狭になっておりました。完成すると待合スペースや診察室が増える予定です。現在の外来棟と新外来棟の間、調剤薬局側の道路に面して新しいエントランスを作ります。新外来棟の工事は今年の秋に完成します
 新外来棟が完成すると検査部門もそちらに移り、病棟の工事に入ります。現在の7病棟の建物を解体し、急性期対応病棟、認知症治療病棟など3つの病棟が入る棟を新築します。個室の割合を増やし、安全で快適な入院治療を受けることができるように準備を進めています。  平成28年秋にはこれらの工事が完了する予定ですが、それまでは仮設の病棟や通路を利用していただくなど、大変なご不便、ご迷惑をかけることになります。安全を確保しながら診療はこれまで通り続けますので、ご了解のほどをお願いいたします。(2014年7月)

2014年3月のあいさつ

img002病院の改修が始まります

院長 田﨑 博一(たさき ひろいち)

 4月から病院の改修工事が始まります。病棟の一部改築と外来の移転拡張を予定しています。
 通院治療を受けられる方が年ごとに増えており、外来診療スペースが手狭になっておりました。現在、病棟として使用している建物を改修して、新しい外来を作り、待合スペースや診察室を増やす予定です。駐車場の面積も広くなります。
 また、病棟については、急性期対応病棟、認知症治療病棟など3つの病棟を新築移転します。個室の割合を増やし、安全で快適な入院治療を受けることができるように準備を進めています。
 約2年半後の平成28年秋にはこれらの工事が完了しますが、それまでは仮設の病棟や通路を利用していただくなど、大変なご不便、ご迷惑をかけることになります。安全を確保しながら診療はこれまで通り続けます。ご了解のほどをお願いいたします。(2014年3月)

2013年4月のあいさつ

img002医薬分業について

院長 田﨑 博一(たさき ひろいち)

 4月1日から外来の処方せんが「院外」に変更され、これからは病院外の調剤薬局に調剤をお願いすることになりました。診療と調剤を別々の機関で行う「医薬分業」には、メリットとデメリットがあると思います。複数の医療機関で治療を受けている患者さんも少なくありません。かかりつけの調剤薬局を利用することで、服用している薬剤全体が管理され、副作用や薬剤同士の相互作用を防止できること、服薬指導等のサービスが向上することなどがメリットになります。一方、病院と薬局の2カ所に行かなければならないこと、支払額が増える場合があることなどがデメリットです。医療の質と安全性を向上させるための「医薬分業」ですので、ご理解のほどをお願いいたします。
 認知症疾患医療センターを開設して1年余が過ぎました。「認知症になっても安心して暮らせる津軽」を目指して活動しています。5月から「もの忘れ外来」を稼働させる予定です。もの忘れなどに気づき、認知症を心配している方の相談から診察・検査・診断・治療までのプロセスを整備、改善し、認知症に関連するさまざまなニーズに応えていこうと考えています。(2013年4月)

2011年5月のあいさつ

img002安心して暮らせる地域を目指して

院長 田﨑 博一(たさき ひろいち)

 震災から2ヶ月余が過ぎました。先日、三陸を訪れてみました。 津波に根こそぎさらわれた被災地の街並はまるで時が止まったかのようですが、未来に向けて少しずつ動き出した人々の息づかいを感じることもできました。 とりわけ、何もない中に遊びや楽しみを見つけ出す子どもたちのたくましさに、希望ということばが重なりました。
 震災を機に皆さまもいろいろなことを考えたことと思います。 普通に生活できることのありがたさ。普通の生活を支える生産や物流のシステム、電気や水道といったライフライン。 そういった普通の生活は決して盤石ではないということも実感しました。
 当院も震災後の停電で電子カルテシステム等が動かなくなり、通常の診療を行えなくなりました。 電気は安定供給されるという油断があったと反省しています。 医療は人々の生命と安全を支える役割があり、どのような状況でも継続しなければならないと考えており、 現在、自家発電の電力増強など停電時でも診療機能を維持できるような体制を整備しております。
 被災地では病気や障害のある人たちが大変な苦労をしています。災害はいつ起こるか分かりません。 災害があっても病気や障害のある人たちが安心して暮らせる地域を目指して、これからも地域に根ざした活動をしていきたいと思います。(2011年5月)

2010年3月のあいさつ

img002地域がHospitalに

院長 田﨑 博一(たさき ひろいち)

 季節はめぐり、春の気配を感じる頃になりました。
 昨年12月にデイケア棟が新築され、デイケア「あゆみ」という愛称で順調に運営されています。檜の壁に囲まれたミニ体育館、カラオケ完備の視聴覚室、バイキング風セルフ配膳の食事、ゆったりした浴場等々、快適な環境は利用者にも好評です。
 この3月15日から電子カルテシステムが本格稼働しています。電子カルテ導入の目的はいくつかありますが、最大の利点は情報共有です。病院ではさまざまな職種、部門が活動しています。電子カルテという道具により、瞬時にそれぞれのもつ情報を共有できるようになります。それによって一貫性のある治療、安全な治療がもたらされ、医療の質の向上につながるものと考えています。
 人は誰でも年をとり、あるいは病を得ます。思うように身体や頭が動かなくなったとしても、できれば住み慣れた家で生活していきたいと思うもの。Hopitalの語源は「おもてなし」です。地域全体がHospitalとして高齢者や病気の人を穏やかに温かく支えていける文化がこの津軽の地に育むことを願い、力を尽くしていきたいと思います。(2010年3月)

2008年8月のあいさつ

img002地域がHospitalに

院長 田崎 博一(たさき ひろいち)

 北京オリンピックが終わり、季節はいつの間にか秋になっていました。
病院施設整備として今春、一部の病棟で未整備だったエアコンを全病棟全室に整備しました。それもあってか、入院されている方々の多くは体調を崩すことなくこの夏を乗り切りました(例年よりも涼しい夏だったのも事実ですが)。
 先日(8月20日)、「夏祭り」ということで病院玄関前に焼き鳥、焼きそば、たこ焼きなどの屋台を並べ、患者さん、職員、それにたくさんの地域の方々にも立ち寄っていただき、楽しい時間を持つことができました。NPO法人「八幡の邑」からは“採りたて安全野菜”販売の出店があり、あっという間に完売になりました。病院と地域の垣根をなくし、学校や保育園のように地域の中に精神科病院が自然に存在しているような雰囲気ができればと思います。
 9月1日、弘前市原ヶ平に精神障害者グループホーム「陽だまり」が産声を上げます。NPO法人「八幡の邑」が運営します。当院関連としては初めての「住まいの場」を提供する事業です。この事業を理解、応援していただいた原ヶ平の皆さまに心からお礼申し上げます。
 Hopitalの語源は「おもてなし」です。人は誰でも年をとり、あるいは病を得ます。地域全体がHospitalとして高齢者や病気の人を穏やかに温かく支えていける文化がこの津軽の地に育むことを願っています。(2008年8月)

2008年4月のあいさつ

img002新しい年度を迎えて

院長 田﨑 博一(たさき ひろいち)

 新しい年度が始まりました。定年退職等で何人かのスタッフが病院を去られ、学校を修了した若い人たちを含めて新たなスタッフを迎えました。 私も気持ちを引き締めているところです。 病院の理念を実現するために、利用者一人一人の思いに耳を傾け、質の高い医療福祉サービスを提供できるように職員全員が研鑽、努力を重ねていきたいと考えています。
 新年度にあたり、いわゆる事業計画というものを作成しました。 いくつかの柱があります。「外来診療と急性期入院医療の機能強化」、「地域生活支援」、「入院療養環境の整備」、「病院運営の透明化と効率化」、「職員の資質向上」、「学生教育」といったところです(硬い用語ですみません)。
 外来は病院の窓口、玄関です。訪れる方を暖かくお迎えし、かつ質の高い医療を提供することを目指します。 当院は青森県で唯一、急性期治療病棟の認可を受けている精神科病院です。 その機能を高め、いかなる病状にも対応できる態勢を整え、できるだけ短期間での回復、退院を図ります。 入院療養環境とはいわゆるアメニティです。 安心して療養に専念できるよう、たとえばトイレをウォッシュレットに改修するなどアメニティ改善のための整備を行います。
 当院には看護師、作業療法士、精神保健福祉士などを目指して学業に励むたくさんの学生が実習に来ており、これからの医療を担う若い世代の教育にも力を注いでいます。
 最近、「社会はどうなってしまうのだろうか」と不安を抱かざるを得ないような事件が続いています。 便利さや経済的な豊かさと引き替えに私たちが失ってしまった人と人との絆や暖かさ。 誰もがこころ安らかに生活できる社会を取り戻すためにどうしたらよいのか。 難しい課題ですが、私たちも医療という営みを行いながら、考え、情報を発信していきたいと思います。(2008年4月)

2007年10月のあいさつ

img002在宅生活支援センターを開設しました

院長 田﨑 博一(たさき ひろいち)

 私が弘前愛成会病院に着任したのが2005年4月。2年6ヶ月が過ぎました。着任してすぐに「病院の理念と基本方針」を定めました。理念は病院が向かう進路を示します。基本方針は理念を実現するための行動目標です。この理念や基本方針を実現するために組織を構成し、さまざまな事業を展開するわけです。日々の活動を実践しながら、随時、理念や基本方針と照らして、進路を誤っていないか確認することも大切です。
 当院の理念は、「利用者一人一人を尊重し、質の高い精神医療を提供する」ことです。ホームページの表紙に「自分らしい生き方」を支える医療を目指して‥‥と書いてあります。人生とは誰にでもかけがえのないもの。人生の物語は必ずしも順風満帆ではありませんが、それでも一度きりの人生です。私たちは、常にこのことを肝に銘じ、医療を提供していきたいと考えています。
 本年9月、院内組織として「在宅生活支援センター」を開設しました。訪問看護、デイケア、医療福祉相談の3部門をこのセンターに集約し、「利用者の生活と自立を支援する」という基本方針実現のために包括的なサービスを展開することを目指しています。センターは当院のアウトリーチ型医療の基地となりますが、地域のさまざまな機関や施設の方々との連携、協力の要としても機能していければと願っています。
 このごろ、理念として掲げたことのさらに上位に、医療という営みを超えた病院の役割があるのではないかと考えるようになりました。便利さや経済的な豊かさと引き替えに私たちが失ってしまった人々の絆や暖かさ。誰もがこころ安らかに生活できる社会を再生するために何ができるか、そんなことも考えながらよりよい病院を目指していきたいと思います。 (2007年10月)

社会不安障害について

question社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)とはどんな病気ですか?
answer 注目を浴びる行動に不安を感じる病気を社会不安障害といいます。
大勢の前でスピーチをするのが苦手で不安を感じる、初対面の人にあいさつするのが恥ずかしい、などは日常誰もが経験することです。ところが、このような状況を恐れるあまり、その状況を避けようとして学校や会社に行けないほどである、など日常生活に支障をきたすようになると、これは病的な状態です。

人前で話をする・食事をする・字を書く、などのときに人から注目されていると思うとこわくなったり、とまどったりしますか?いいえはい
自分でもこわがりすぎていると思いますか?いいえはい
それは、わざわざ避けたり、じっと我慢したりしなければいけないほどですか?いいえはい
それによって、仕事や社会生活が妨げられたり、苦痛を感じたりしますか?いいえはい

 これは、M.I.N.I (the Mini-International Neuropsychiatric Interview)の問診票を改変したものです。
 4つの質問のすべての項目が「はい」の場合、社会不安障害の可能性があります。

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questionどんな症状があらわれますか?
answer

恐怖や不安により身体にさまざまな症状があらわれます。

顔が赤くなる、青くなる手足がふるえる
顔が硬直する動悸
汗をかく頭が真っ白になる
めまい吐き気
胃腸の不快感声がふるえる
声がでない尿が近い
食事がのどをとおらない尿がでない
口が渇く息苦しい

 社会不安障害(SAD)を発症している人は、あらゆる社交的場面や「人前で話す」「電話に出る」「注目を浴びる」などの状況で常に強い不安を感じています。多くの人は、そのような状況でも時間とともに慣れ、不安感や恐怖感は徐々に薄れていくものですが、SADの患者さんはそうではありません。「他人は自分を見て笑っているかも」、そんな不安を強く感じ続けてしまいます。
 また、自らの著しい不安感が「人とは違う、この不安感や恐怖感は不合理なものだ」と認識していることはSADの患者さんに共通している点です。
 やがて、だんだんと自分が恐怖を感じる場所に行くことを避けるようになります。こうした強い不安感は、学校や職場での活動にも大きな影響を及ぼし、不登校や中退、退職といったケースに至ることも多く、生活に大きな支障をきたすようになってしまいます。

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question「内気」とか「恥ずかしがり」といった性格の問題ではないのですか?
answer

 社会不安障害は性格の問題ではなく、精神療法や薬物療法によって症状が改善することがある心の病です。ちょっと恥ずかしいと思う場面でも、多くの人は徐々に慣れてきて平常心で振る舞えるようになりますが、社会不安障害の人は、恥ずかしいと感じる場面では常に羞恥心や笑い者にされるのではという不安感を覚え、そうした場面に遭遇することへの恐怖心を抱えています。

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question困っている方はたくさんいるように思いますが‥‥
answer

 思春期前から成人早期にかけて発症することが多いこの病気は、慢性的になり、人前に出ることを恐れるようになると、「うつ病」等のさらなる精神疾患の引き金となることもあります。
 日本国内に推定で約300万人以上の患者さんがいると言われており、現代社会では多くの患者さんを抱える一般的な病気です。この病気にかかるのは決して特別な人ではなく、現在も海外では多くの患者さんが医療機関での治療を受けています。

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questionどうすれば治りますか?
answer

 社会不安障害の治療法には大きく二つ、薬を用いて治療する「薬物療法」と心理的に治療する「精神療法」があります。二つの治療法は単独で行われたり、併用して行われます。いずれの治療法も専門医と相談の上、患者さん自身が納得して積極的に治療に参加することが大切です。

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question社会不安障害に関する情報
answer

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