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| 社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)とはどんな病気ですか? |
| 注目を浴びる行動に不安を感じる病気を社会不安障害といいます。 大勢の前でスピーチをするのが苦手で不安を感じる、初対面の人にあいさつするのが恥ずかしい、などは日常誰もが経験することです。ところが、このような状況を恐れるあまり、その状況を避けようとして学校や会社に行けないほどである、など日常生活に支障をきたすようになると、これは病的な状態です。人前で話をする・食事をする・字を書く、などのときに人から注目されていると思うとこわくなったり、とまどったりしますか? | いいえ | はい | 自分でもこわがりすぎていると思いますか? | いいえ | はい | それは、わざわざ避けたり、じっと我慢したりしなければいけないほどですか? | いいえ | はい | それによって、仕事や社会生活が妨げられたり、苦痛を感じたりしますか? | いいえ | はい |
これは、M.I.N.I (the Mini-International Neuropsychiatric Interview)の問診票を改変したものです。 4つの質問のすべての項目が「はい」の場合、社会不安障害の可能性があります。 |
| どんな症状があらわれますか? |
| 恐怖や不安により身体にさまざまな症状があらわれます。 顔が赤くなる、青くなる | 手足がふるえる | 顔が硬直する | 動悸 | 汗をかく | 頭が真っ白になる | めまい | 吐き気 | 胃腸の不快感 | 声がふるえる | 声がでない | 尿が近い | 食事がのどをとおらない | 尿がでない | 口が渇く | 息苦しい |
社会不安障害(SAD)を発症している人は、あらゆる社交的場面や「人前で話す」「電話に出る」「注目を浴びる」などの状況で常に強い不安を感じています。多くの人は、そのような状況でも時間とともに慣れ、不安感や恐怖感は徐々に薄れていくものですが、SADの患者さんはそうではありません。「他人は自分を見て笑っているかも」、そんな不安を強く感じ続けてしまいます。 また、自らの著しい不安感が「人とは違う、この不安感や恐怖感は不合理なものだ」と認識していることはSADの患者さんに共通している点です。 やがて、だんだんと自分が恐怖を感じる場所に行くことを避けるようになります。こうした強い不安感は、学校や職場での活動にも大きな影響を及ぼし、不登校や中退、退職といったケースに至ることも多く、生活に大きな支障をきたすようになってしまいます。 |
| 「内気」とか「恥ずかしがり」といった性格の問題ではないのですか? |
| 社会不安障害は性格の問題ではなく、精神療法や薬物療法によって症状が改善することがある心の病です。ちょっと恥ずかしいと思う場面でも、多くの人は徐々に慣れてきて平常心で振る舞えるようになりますが、社会不安障害の人は、恥ずかしいと感じる場面では常に羞恥心や笑い者にされるのではという不安感を覚え、そうした場面に遭遇することへの恐怖心を抱えています。 |
| 困っている方はたくさんいるように思いますが‥‥ |
| 思春期前から成人早期にかけて発症することが多いこの病気は、慢性的になり、人前に出ることを恐れるようになると、「うつ病」等のさらなる精神疾患の引き金となることもあります。 日本国内に推定で約300万人以上の患者さんがいると言われており、現代社会では多くの患者さんを抱える一般的な病気です。この病気にかかるのは決して特別な人ではなく、現在も海外では多くの患者さんが医療機関での治療を受けています。 |
| どうすれば治りますか? |
| 社会不安障害の治療法には大きく二つ、薬を用いて治療する「薬物療法」と心理的に治療する「精神療法」があります。二つの治療法は単独で行われたり、併用して行われます。いずれの治療法も専門医と相談の上、患者さん自身が納得して積極的に治療に参加することが大切です。 |
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