改正障害者雇用促進法

question障害者雇用促進法はどんな法律ですか?
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 国は、障害のある人が障害のない人と同様、その能力と適正に応じた雇用の場に就き、地域で自立した生活を送ることができるような社会の実現を目指し、障害のある人の雇用対策を総合的に推進していくという方針で施策を進めており、この法律は施策を実施するための根拠となります。障害者の雇用義務等による雇用の促進、障害の有無にかかわらない均等な雇用機会と待遇の確保、障害者がその能力を有効に発揮できるようにすること、職業リハビリテーションなどに関する措置が定められています。

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question法定雇用率とは?
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 法律では、事業主に対して、その雇用する労働者に占める障害者の割合が一定率(法定雇用率)以上 になるよう義務づけています。平成25年の法改正で一般民間企業の法定雇用率は2.0%になりました。法定雇用率を達成できない事業主は、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて、1人につき月額5万円の障害者雇用納付金を納付しなければなりません。また、雇用義務を履行しない事業主は、法律に基づき、雇入れ計画作成命令などの行政指導を受けるとともに、その後も改善が見られない場合、企業名が公表されます。

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question改正されて、何が変わりましたか?
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 前回、平成25年改正で、それまでの身体障害者、知的障害者に加えて、精神障害者(精神保健福祉手帳保持者)を雇用した場合にも、その数を「実雇用率」にカウントできることになりました。しかし、現行の制度は、いわゆる「みなし雇用率」制度といわれるものであり、精神障害者の雇用を事業主に直接義務づけているものではありません。
 民間企業の法定雇用率が2.0%になった根拠は、身体障害者及び知的障害者である常用労働者数と失業者数の合計をわが国の常用労働者の総数で除して得た割合に基づいています。つまり、全ての企業が法定雇用率(2.0%)を達成するとすべての身体障害者及び知的障害者の完全雇用が実現することになるという計算です。このため、これまでの制度では、精神障害者を雇用した場合は身体障害者または知的障害者を雇用したものと「見なして」、実雇用率にカウントされていました。
 今回、平成28年の改正により、法定雇用率の算定基礎の対象に、新たに精神障害者が追加されます(平成30年4月から施行)。法定雇用率については施行後5年間は猶予期間とし、平成35年以降の具体的な引上げ幅は、障害者の雇用状況や行政の支援状況等を踏まえ、労働政策審議会障害者雇用分科会で議論されることとなっています。
 もうひとつ、改正法に盛り込まれた大切なことは、障害者に対する差別禁止と合理的配慮の提供義務です。障害を理由にして採用を拒否したり、賃金を引き下げる、低い賃金を設定する、昇給させないといった差別は禁止されました。また、障害を考慮した作業環境や勤務配慮、援助が求められています。

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question精神障害者の雇用はどうなりますか?
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 法改正によって、精神障害者の雇用が事業主の責務であることが法律に明記され、精神障害者の雇用義務化が実現しました。調査によれば、ハローワークを通じた障害者の就職件数は7年連続で増加しており、特に精神障害者の就職件数が大幅に増加しているとのことです。精神障害者が法定雇用率にカウントされるようになったこともその要因の一つでしょう。今後も、精神障害者の雇用ニーズ、求人が拡大する可能性はあります。一方、企業等が精神障害の特性を理解しているかといえば、決して十分ではなく、受入体制には多くの課題があります。雇用が進んでいるからこそ、受入体制の整備が必要になります。法律や制度は重要ですが、それらを円滑に機能させるための現場での相互理解が求められます。

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question働きたいとき、どこに相談すればよいのですか?
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 ハローワーク:就職を希望する障害者の求職登録を行い、専門職員や職業相談員がケースワーク方式により障害の種類・程度に応じたきめ細かな職業相談・紹介、職場定着指導等を実施します。
 地域障害者職業センター:障害者に対して、職業評価、職業指導、職業準備訓練、職場適応援助等の専門的な職業リハビリテーション、事業主に対する雇用管理に関する助言等を実施します。
 障害者就業・生活支援センター:障害者の身近な地域において、雇用、保健福祉、教育等の関係機関の連携拠点として、就業面及び生活面における一体的な相談支援を実施します。
 在宅就業支援団体:在宅就業障害者に対する支援を行う団体として厚生労働大臣に申請し、登録を受けた法人です。
 発達障害者支援センター:発達障害者が充実した生活を送れるように保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携しながら、本人やその家族に対する支援を行うとともに、地域の支援体制の充実を図ります。
 難病相談支援センター:難病患者等の療養上、生活上の悩みや不安等の解消を図るとともに、電話や面接などによる相談、患者会などの交流促進、就労支援など、難病患者等がもつ様々なニーズに対応することを目的としています。

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