一般財団法人愛成会は「弘前愛成会病院」と「弘前神経科学研究所」の2つの組織からなります。
弘前神経科学研究所は財団法人の設置された昭和38年に開設されました。開設以来、運営にあたっては弘前大学医学部神経精神医学教室の協力と指導を求め、歴代所長は平成15年まで教室の教授に委嘱していました。この間、教室との協力・連携によって、多くの優れた研究業績を生み出すことができました。平成15年から、第三代所長であった佐藤時治郎が五代目の所長に就任し、精神医療に求められる社会的ニーズに沿った新たな研究活動の展開を図っています。あわせて、精神医療保健福祉の領域で働く専門職者を対象とした研修事業を行っています。
沿革
当法人の前身である「医療法人愛成会」は、精神障害者や精神遅滞者の予防・治療の必要性から、昭和28年に社会福祉法人弘前愛成園の理事が中心になり弘前大学医学部精神科関係者の協力を得て設立され、安原病院を開設した。養護施設弘前愛成園に入所していた児童の三割は精神遅滞や精神障害があった。また、当時の精神科医療の水準は現在とは比べるべくもなく、これらの児童を含め、精神科の治療は容易なものではなかった。そうした時代であったからこそ、より積極的な精神医学領域の研究、開発の推進が求められた。
このような状況の中、昭和38年に従来の医療法人を解散し、新たに財団法人の認可を得て、弘前大学医学部神経精神医学教室の和田豊治教授の協力のもとに、弘前てんかん研究所を設立した。同時に病院の名称も安原病院から弘前精神病院に改称された。和田教授は研究所所長として自ら先頭に立って精力的に指導にあたり、多大な研究成果を残した。
昭和41年、後任の佐藤時治郎教授はさらに研究領域を拡げ、それまでの研究テーマの中心であったてんかんのみに限らず、精神病理学や神経心理学、児童精神医学など広範に及ぶ新しい研究指針のもとに指導にあたられた。昭和62年からは弘前大学出身の福島裕教授が所長となり、時代の要請に応えて、幅広い研究業績を目指すために「弘前てんかん研究所」から「弘前神経科学研究所」に改称し、てんかんの研究に加え、神経疾患の臨床研究や精神障害の基礎的研究を推進するための研究機材を積極的に導入した。寄付行為の一部改正により神経科学研究所は正式に認可された。
平成7年からは兼子直教授が所長として研究の指導にあたり、それまでの研究領域をさらに拡げ、生化学的研究の一層の充実、臨床遺伝学の導入、リエゾン精神医学の拡充など研究の深層化に取り組んだ。
平成15年、兼子教授から弘前大学医学部長に就任したのを機に所長を辞退したいとの申し出があり、佐藤時治郎元所長が第五代所長に就任した。佐藤所長は今日的な時代の要請に合わせて研究所機能の変革を進め、研究所紀要「Neuroscience」の編集・発行、過去の院内研究を記録した「研究発表講演集」の編集・発行、地域の医師を対象とした医師再教育プログラム「精神医学セミナー」の開催などさまざまな新事業を展開した。
平成26年から、福島裕が第六代所長に就任し、弘前大学医学部神経精神医学教室との共同研究、「精神医学セミナー」等の事業を継続している。また、病院職員の調査・研究、学会報告を支援している。
歴代研究所所長
初代 | 和田 豊治 | 昭和33年~昭和41年 |
二代 | 佐藤時治郎 | 昭和41年~昭和62年 |
三代 | 福島 裕 | 昭和62年~平成7年 |
四代 | 兼子 直 | 平成7年~平成15年 |
五代 | 佐藤時治郎 | 平成15年~平成26年 |
六代 | 福島 裕 | 平成26年~現在 |
医師再教育プログラム
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一般財団法人愛成会・弘前神経科学研究所 事務局
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